エディタ
エディタはソースコードを書く道具です。ソースコード以外のファイル、画像ファイルや動画ファイルや音声ファイルは編集できないので、専用のアプリやソフトを利用します。
ウェブ制作に必要な道具は、エディタ、ブラウザ、サーバーの3つです。
エディタはソースコードを書く道具です。ソースコード以外のファイル、画像ファイルや動画ファイルや音声ファイルは編集できないので、専用のアプリやソフトを利用します。
ブラウザはソースコードを見る道具です。ソースコード以外のファイル、画像ファイルや動画ファイルや音声ファイルは再生できませんが、ソースコードに書くと再生できます。
サーバーはソースコードを置く道具です。ソースコードのほか、画像ファイルや動画ファイルや音声ファイルも置くことができます。
「ウェブデザインは見せ方なのでセンスの問題だ」と考える人がありますが、ウェブデザインはセンスというより勉強だと思います。そして勉強=制作です。量が質に変わるように、自分にはセンスがないと思う人は単に、勉強不足=制作不足だと思います。ウェブデザインの本はいくつも出版されており、図書館や書店で自分に合う本を見つけて取り組める時代です。参考にしたいサイトを見かけたら、ブラウザの「ソースを表示」機能を使ってソースコードを無料で読んでいけます。2~3年間、少しずつ取り組めば、一定の技術水準が身に付きます。その先は、自分の思うように制作を進められるようになっていますよ。
世界にファイルを公開するサーバーに対して、自分で使うだけのPCをローカルマシンといいます。サーバーはサーバーソフトが動いているのでサーバーの機能を果たせます。サーバーソフトがなければただのPCです。ローカルマシンにもサーバーソフトが入ります。無料で入手できるApache(アパッチ)やWindows10に入っているIISがよく使われます。これらをローカルマシンで有効化すると、サーバーにアップロードしたのと同じような環境が実現します。また、エディタのプレビュー機能でソースファイルをブラウザで確認することもできます。サーバーにアップロードする前に、ローカルマシンで確認できるのです。
ブラウザを作る各社をブラウザベンダーといいます。ベンダーごとに独自のデザインを開発しています。同じプログラムを異なって解釈したり、新しい機能への対応が遅れていたりします。なので、いくつかの主要なブラウザすべてで動作確認せざるを得ません。もしあるブラウザが意図しない表示で動いた時は、別の書き方に代えたり、新しい機能を取りやめたりします。書き方は意外と幾通りもあるものです。
サーバーにコピーを置くことをアップロード、サーバーからコピーを得ることをダウンロードといいます。ポイントは、サーバーとファイルをやりとりするときは、いつもコピーのやりとりだということです。サーバーとやりとりするなかで、ファイルが移動したり消えてしまったりすることはないのです。なので、ローカルマシンでファイルを管理できていれば良いと思います。
ファイルの新しさで管理する方法です。アップロードするときは更新したファイルだけでよいですが、どのファイルをアップロードするか判断するときは、ファイル名よりも更新時刻で判断すると簡単です。更新時刻順に並べ替え、サーバーにアップロード済のファイルの時刻と異なる時刻のファイルだけ、アップロードします。
更新した後に更新前のファイルがほしくなることがあります。間違って同じ名前のファイルデータで上書きしてしまった時や、更新前のコードを参照したい時、サーバーは上書き前のバージョンを取っておいてはくれません。そこで、アップロードの前にアップロードするファイルのみを、別のフォルダに取り分け、フォルダ名を日付にすると、アップロード用のフォルダと制作用のフォルダを分けられます。
アップロードしたファイルはURLでアクセスできます。もしそのファイルを削除したくなってしまったら、URLを変更する事情が生じたら、使わなくなるURLには何らかのファイルを当てがっておいてください。検索エンジンでヒットしても404エラーが出てしまい、ユーザーのアクセスがストップしてしまいます。404ページを置いたり、数秒後にジャンプするよう仕掛けたり、別のページにリダイレクトさせるなど、策はいろいろあります。URLは一度作ってしまうと削除しにくいのです。
インターネットについて教わると、インターネットは世界に向けて公開されるから、公開には慎重になりなさい。と思わされます。確かに、ウェブは同時代のすべての人が見ることができます。しかし、現実では検索エンジンの上位に引っかかることさえ難しく、更新せず放置しておくとアクセスがほとんどなくなります。よくたとえられるのは、ウェブは出版社を自分で持てる、ということです。URLを伝えることで、自分の本を人に見せることを、いつでもすぐに誰にでもできることが、ウェブの良さだと思います。腹を割って気さくに話す人は好かれるものです。情報をオープンにすることで、思いもよらないつながりができることがあります。本当に隠しておくべき情報は何か、一度整理してみるのも良いかと思います。
フリーミアムサーバーは、無料で利用できる機能と有料版の機能を兼ね備えているサーバーのことです。無料版の機能で充分な場合には、無料でウェブサイトを持つことができます。無料版ではドメイン名にサーバー運営会社の名前が入ることが多いです。
レンタルサーバーは、定額でサーバーを借りられます。機能が充実するほど金額は高くなります。ドメインを別途借りることによって、借りたドメイン名で運用できます。
クラウドホスティングでは、利用量に応じて課金されます。ありとあらゆる機能が初めから利用できます。最初の数か月間は無料お試し期間です。今、国内企業や海外で大きなビジネスになっています。
ドメインを借りるには、まず「.com」や「.co.jp」「.net」など、ドメインの種類を選びます。600~1,000種類あるそうです。次に、ドメイン名を決めて、すでに使われていないかをチェックします。もし使われていなければ、そのドメイン名で借りられます。最後に、使用者情報や、毎月発生するレンタル料の支払方法を設定して、完了です。ただし、ドメインを借りても、サーバーがなければアップロードできません。ドメインとサーバーはセットで借りる、と覚えてください。また、ドメインとサーバーを同じ企業で契約した場合はすぐに利用できますが、ドメインを契約した会社とサーバーを契約した会社が異なる場合は、ドメインの管理ページにサーバー情報を自分で登録し、ドメインとサーバーを対応させる設定が必要です。
ドメイン料はドメインの種類によって異なります。「.net」や「.info」は毎月100円ほどですが、「.com」や「.jp」は万単位です。個人で利用する場合は、ドメインとサーバーのセットで年間5,000円~10,000円が相場と思います。
サーバーは、PCをたくさんつないだものです。サーバー用のPCは重ねてたくさん置けるように平らなものが多く、それらがたくさん置かれた空間はデータセンターといわれます。ちなみに、市販の一般向けPCもサーバーにすることができます。PCをサーバーにするには、次の3条件がそろえば、まずOKです。
ブラウザでインターネットを見るまでに、ブラウザはまずサーバーからソースコードファイルやマルチメディアファイルをダウンロードします。次にダウンロードしたソースコードファイルを表示できるよう変換します。最後に変換した画面を映します。ウェブ制作は、ブラウザに思ったような画面を映してもらえるよう、ソースコードを書く仕事です。
コンピューターの3大要素は、CPU、メモリ、ストレージです。ドライバーでねじを外してフタをとると、内部構造が見えます。メモリはすぐに交換できます。ストレージもねじをさらに外せば簡単に取り出すことができます。メモリは電源を消すと情報を忘れてしまうため、長持ちします。ストレージは電源を消しても情報を覚えており、情報を書き込むたびに寿命が縮みます。CPUは基板に付いているため、交換は難しいです。PCを買うとき、CPUで選ぶと良いのは、交換が難しい部品だからです。ねじを外してしまうとメーカー保証対象外になってしまうので、保証期間が過ぎてからトライしてみてください。
サーバーはPCですから、ファイルはフォルダに入っています。フォルダもフォルダに入っています。すべてのフォルダが入っているおおもとのフォルダをルートディレクトリといいます。そして、すべてのファイルは、入っているフォルダ名をたどっていき、ファイル名とつなげれば、そのファイルの入っている場所が表せます。ファイルの場所をパスといい、ルートディレクトリからたどったパスを絶対パス、ファイルからたどったパスを相対パスといいます。そして、この茂る木のような構造を木構造といいます。木構造は、狭い空間にたくさんの葉を茂らせるように、限られたストレージにたくさんのファイルを保存できます。また、パスを1ファイルに1つ持てるので、ファイルを探しやすいことも利点です。
サーバーはPCであり、ファイルは1つのパスを持っています。ブラウザはサーバーからファイルをダウンロードしますが、ダウンロードするファイルはパスを1つ持っています。そのパスに、通信情報を頭に付けたものを、URLといいます。URLは、「通信情報+PC名+パス」と思ってください。通信情報は、「http://」「https://」がよく使われます。「http://」から始まるファイルは第三者が改ざんできるため、「https://」での公開が勧められています。また、PC名を「ドメイン」といいます。ドメインは、世界中のドメインを管理するPC「ドメインネームサーバー」から借りて使います。URLは、世界中のドメインに置かれたファイルを、ブラウザでひとつひとつ見ることを可能にした、画期的な発明なのです。
ウェブはURLをリンク先にできるところが画期的な発明です。クリックするだけでファイルからファイルへ飛べる、しかもどんなファイルでも。検索エンジンで有名なグーグルのラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンは、図書館学からヒントを得て、検索エンジンのアルゴリズムを開発しました。彼らのおかげで世界中の人々が作ったほとんどのページがリンクされました。コロンブスが新大陸を発見したように、検索エンジンが見つけられないページはほとんどなくなりました。検索上位に来るように個性的な固有名詞を作る、有名になってしまわないように凡庸な名前を付けるなど、検索エンジンの利用戦略もさまざまです。
ウェブページは書き物なので、著作物として権利が保護されます。著作権は書いた時点で生じるので、「© All Rights Reserved」と書かなくても権利は発生しています。著作権法での著作物の定義、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」にはソースコードも当てはまります。しかし、ソースコードは小説や絵画等の著作物とはやや性質が異なるため、現在も法律を整備・検討しているところです。
ソースコードは簡単にコピーできることや、二次創作も盛んであるため、プログラマが積極的に著作権を放棄する仕組みがあります。たとえば、「クリエイティブコモンズ ライセンス」では、
新しい物事は既存の物事の組み合わせといわれますが、新しい物事の登場は不思議と尽きません。制作者が増えても制作物を誰でも見られるよう、ウェブの言語はW3C(ワールドワイドウェブ コンソーシアム)が標準化しています。どのブラウザでもコンテンツが同じように見られるのは、W3Cがブラウザのために言語の仕様を決めているからです。
新しいものが生まれ続けるウェブはとても不思議です。同時代の世界中の才能が、日々創造的に仕事し、その結果が今のウェブなのです。石器の時代からコンピューターまで、人間は常に新しい道具や情報を作り出し、人々を助けながら経済を大きくしてきました。地球にある資源は昔から大して変わらないのに、科学で利用法を見出して可能性を広げてきたことも一因ですが、何より一部の人間の圧倒的情熱が世界を率いてきたと思います。新しい物事はこれからも生まれるでしょうし、世界はずっと変化していけると思います。